Style by dreadnote

主に山口県下関市での釣り、狩猟、キャンプ等の記録です

ロッドメーカーに工場見学に行ってきた

今日はZENITH?さんに行って来ました

ウチの会社と少しだけ取引があるらしいのでそのツテで

下関市の地場のロッドメーカーです

知る人ぞ知る、個人的に応援したい会社さんでもあります

http://www.zenith-dream.jp/

会社からは車で10数分のところにゼニスさんがあります

生産体制としては小規模かつカスタムもやっているということなので

工場はオレのイメージよりかなりマシな雰囲気

(たいていのロッドメーカーの建屋なんてスレート屋根やバラックであるが

 ゼニスさんに関しては一応違った、どうでもいい差異ではあるが)

お話を聞かせて頂いたのは石谷社長

元S社で、釣り具部門が下関から熊本に移る際に退職されてゼニスを立ち上げたという経緯だそうです

こじんまりした玄関には新旧のロッドやその他の製品がズラリ

クロマグロのロッドは某俳優とほぼ同じ仕様

ルアーロッドなんかではバンバカスタムなぞ並んでいました

特にカスタム品への思い入れは熱く、特殊な塗装、パーツ類などについて語っていただきました

新製品の石鯛竿(黄色いの)は400gにも満たないということで「超絶」軽量、

ていうか見るからに全体が極細でびっくり

おいおいおいってレベルでブランクだけをみると石鯛竿ってわかる人いるのか?

その上で適材適所にメタル素材を入れて強度を出しているということでした

10kg以上の強度はテストで出しているしデカパンも抜けるよって

マジかよ!ってレベルの繊細な竿に見えますがしっかりしているんでしょうね

特殊なクエ竿も見せていただきました(一番手前)

これらの竿(というか新製品全て)は全て強度テスト及びフィールドテストしており

ちなみにこのクエ竿は100kg負荷にも耐えられる代物で存在感は別格です

こちらもカスタムが施してあり、またそれが異様な雰囲気を放っています

一目でわかるのが全て違うということw

まずガイド、3本足かな?こんなの見たこと無い

グリップ、素材は聞きそびれましたが金属ってw

ブランク素材も聞きそびれたんですがなんとブランク外周にチタンを巻き付けてある!

そんなロッド聞いたこともない!

豹柄のロッドは個人からのカスタムオーダーでお客さんの嫁さんのパンツの色に合わせたもの

意外なところでは特殊なブランク素材

スチール製ソリッドブランク、これにはびっくりした、

グラスのフルソリッドのカスタムもあります

(ちなみにカーボンブランクは自社製、それ以外は設備が無いので他社製

 国内メーカーで自社製ブランクを用いているところは少なく

 そういう意味で元々ゼニスさんには興味がありました)

他にもガングリップはたくさん展示されていました

まぁでもお話を聞く中で残念な部分もあります

カタログ上のラインナップは以前より少なくなったなと

ソルトでもシーバスや、ロックフィッシュなんかは姿を消したのかな?

出荷も関東が中心、海外も一時期風評被害があったそうです

高付加価値なオフショア巨魚ロッドやらが石鯛などがメインでマーケットも主に関東中心

地場でも売れるなら売っていきたいし、ラインナップも、というところだそうですが

やはり釣り具業界の全体的な裾野の広がりが、ということで今は先鋭化された製品を

主に取扱うという方針でした

商売上の話はともかく新製品の石鯛竿の細さにはびっくりしました

あとは工場見学の中で見たオフショアヒラマサジギングロッド

スペック上の重量は195g、PE5号までいけるロッドだったかな?

これもびっくりするぐらい軽い、しかも怖いぐらい細い

最近オシアジガーを海峡の常連に触らしてもらうことがあったけどオレには優劣はわからん

見た目もゼニスらしくない?シンプルな黒ベースで、あコレは欲しいなって思った

ハイエンド中心とはいえ価格も全体的に抑え目なのもゼニスさんの特徴です

さて、工場見学は逆順でエポキシの塗布、乾燥から

多品種少量生産らしい最低限の機械化でのほぼ手作業です

自動で回転するロッドに従業員の方が刷毛で均一にエポキシを塗りつけていって

ヒーターの部屋で自動乾燥

ここは途中工程でよくわかりませんが

様々なロッドが並びます

仕上げ工程で並んでいるロッドも内容は結構バラバラですが

数の出るロッドについては5本〜数十本単位であります

その中にも先述したオフショアロッドやバンバカスタムも、とてもキレイな仕上がりでした

他にはマダイムーチングロッドをショップカスタムで10本ぐらい、とか

グラスのフルソリッドなので一本数千円であるが数が出るならそういうこともやってれるそうです

また、マンドレルがある(既存のブランクの流用)であればかなりの範囲のカスタムを受け付けるそうです

工程を一気に飛ばしますが釜

国内メーカーでも数えるほどしか自社釜は持っていません、

つまり他社からブランクを仕入れてそれにガイドやグリップを取り付けるわけですが

一通り自社生産できるメーカーへのこだわりがある人も最近では多いですね

ブランクの供給を受けるメーカーを必ずしも否定しているわけではないですが

残念なことに釜入れはそれほど頻繁な作業ではないということで

釜自体はしばらく休止中、梱包材とかが釜の前に放置w

ま、まぁこういう工場ではよくあることです

釜は普通の尺用、写真の長尺用とあり、これは3.6mのブランクを焼き上げることが出来るそうです

船用のワンピースロッドにはそういうのがあるらしいですね

それほどサイズがあるようには見えないのですが入れようと思えば○百本一気に焼き上げることが出来るそうです

ところどころで質問があったのですが親切に答えていただきました

たとえばアンサンドなんか人気ないんでしょうか?やって欲しいのですが、、、

海外のお客さんは好む傾向がありますが国内では、、、みたいなやり取りが

一部のアングラーとメーカーの思惑ってのは必ずしも一致しない部分は少なからずあるのだなぁ

なんて思ったりもします

工場全体の感想ですがなんか想像してた感じのロッドメーカーでしたねいい意味でも悪い意味でも

各製品の設計、テスト、製造、それぞれ各所での管理はしっかりやられているという印象でした

製品もしっかりと軽量かつ強靭に出来上がってますし

当たり前のことを当たり前に、業態にふさわしい手作業でやっています

今はかなりハイエンドなラインナップになってしまいましたがいつかまた業界が低迷から抜け出せた

際には地元下関(多少はユーザーを見かけます)や九州近辺、関西とかでもしっかり

商売できるようになって欲しいなぁと思いました

お忙しい中にも関わらず丁寧なご対応ありがとうございました